和歌山駅から東へ車を90分ほど走らせると九度山町があります。大阪府と奈良県の境近くに位置し、人口5,000人に満たない九度山町は、富有柿の産地として有名であるとともに、真田昌幸・幸村親子ゆかりの地としても注目されています。
柿の里振興公社のホームページ(http://kaki-kudoyama.com/)によると、九度山町産の富有柿がおいしい理由は、土壌が良く、1日の温度差が大きく、日照時間が長いため、熟度・糖度が上がるからとのことです。また、九度山町の耕作地に占める柿畑の面積割合は60%を超え全国1位で、富有柿の生産が 町の主要な産業であることがわかります。
NHK大河ドラマ「真田丸」で九度山が取り上げられるのはまだ先ですが、徒歩で1時間程度でまわれる狭い街中は、家々に六文銭をあしらった赤い提灯が掲げられ、観光客は真田ゆかりの地に来たのだと実感できます。真田昌幸・幸村親子は関ヶ原後にこの地で蟄居し、昌幸は病死するまでの11年間、幸村は大阪の豊臣秀頼のもとに行くまでの14年間をこの地で過ごしました。街中には、大河ドラマ真田丸を記念して造られた真田ミュージアムをはじめ、親子の屋敷跡に建つ真田庵、幸村が大阪へ行く際に抜け穴として使っていたと言われる真田古墳等の観光スッポットがあります。
今年3月にオープンしたばかりの真田ミュージアムですが、私が訪問する直前に入館者数が真田家の家紋「六文銭」にちなんだ「6万6666人」を突破し、記念品が渡されたそうです。また、ミュージアム内には若い女性客の姿も多く見られ、ゲーム「戦国BASARA」等で描かれたイケメンキャラの影響から歴史に興味を持ったのかなあ等と思いながら、展示物を見ていました。
九度山観光の起点となる道の駅「柿の郷 くどやま」が、観光客とその車であふれる状況を見ながら、大河ドラマの地域コンテンツや地域観光に対する影響力の強さを改めて再認識しました。(Y)