沖縄伝統の島野菜

 昨年からお仕事で毎週のように沖縄を訪れています。琉球王国がルーツの沖縄は、同じ日本でありながら独特の文化や食事を楽しむことができます。
 沖縄にはたくさんの魅力がありますが、今回は沖縄の島野菜についてご紹介したいと思います。

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沖縄の島野菜

 旅行で海外に行くと、見慣れない野菜が出てきてびっくりすることがありますよね。先日訪れた台湾では、サツマイモの葉っぱを炒めたものが出てきて驚きました。
 沖縄は独特の気候ということもあり、普段馴染みのない野菜や果物をたくさん見かけます。では、「島野菜」とはどのようなものなのか?

 沖縄県では、「戦前から導入され、伝統的に食されてきた地域固有の野菜」を「伝統的農産物」として定義しています。この「伝統的農産物」がいわゆる島野菜で、具体的にはゴーヤーやへちま、シブイ、ハンダマ、島らっきょうなどがそれに当たります。
 「島野菜」については、データベースがありますので、興味がありましたら以下をご覧ください!

くわっちーおきなわ(島野菜データベース)

島野菜を育む環境

 沖縄県は、四方を温かい海に囲まれていて亜熱帯海洋性気候に属しており、高温多湿です。日本の他地域と比べると、一年の気温差が小さく、冬でも温暖です。品種にもよりますが、夏は気温が非常に高くなり、また台風が襲来しますので、農産物の収穫量は少なくなりますが、逆に冬春期はたくさんの野菜が作付・収穫されています。さやいんげん、 ゴーヤーなどは沖縄県外の冬春期における供給産地として定着しています。
 
 また、土壌にも違いがあります。沖縄は、大陸からの川や海流によって堆積した土壌や、珊瑚からできた土壌が多く、ミネラル分が豊富です。
 地域によっての違いもあります。沖縄本島南部地域では島マージ・ジャーガル、北部地域では国頭マージといった種類の土壌が分布しており、それぞれの地域で、それぞれの地域にあった土づくりや栽培が行われています。

代表的な島野菜

 代表的な島野菜をいくつかご紹介したいと思います。

・島らっきょう
 筆者が特に好きな野菜の一つです!沖縄県内の様々な地域で栽培されていますが、特に生産量が多いのは伊江島です。
 一般的ならっきょうよりも小さく、辛味と独特の香りが強いのが特徴です。沖縄居酒屋でも定番ですが、生でそのまま食べたり、天ぷらや塩漬けにして食べることが多いのです。
 
・紅イモ
 定番のお土産・紅芋タルトでもおなじみの、紅イモです。外見はサツマイモと区別がつきにくいですが、中身は赤紫色をしています。抗酸化作用に優れており、動脈硬化防止やコレステロールの抑制、老化防止に聞くと言われています。暑さに強く沖縄の気候での栽培に適しています。
 さっぱりとした甘さで、蒸し芋、焼き芋、天ぷらなど、サツマイモと似たような調理法で食べられます。

・ゴーヤー
 最近は沖縄以外でも良く食べられています。強い苦味が特徴で、ビタミンCが豊富です。炒めもの(ゴーヤチャンプルー)が有名ですが、天ぷらにしたり、酢の物にしても美味しいです。筆者は、ゴーヤーのワタごと素揚げにして食べるのがマイブームになっています!

・ナーベーラー
 ナーベーラーは、ヘチマです。ヘチマといえば、タワシなど加工品として利用するイメージがありますが、沖縄ではゴーヤーと並んで愛される食材です。トロトロに煮たナベーラーの味噌煮は最高です!沖縄県の定食屋でも食べることが出来ますので、未経験の方は是非!

最後に

 今回は、沖縄伝統の島野菜についてご紹介しました。沖縄から持ち出しが禁止されているものもありますが、沖縄料理店や居酒屋などで食べることが出来ます。沖縄を訪問される際は、美味しくて栄養豊富な島野菜を是非楽しんでいただけたらと思います。(N)